第11話

牙獣 ウライムソン
登 場




度重なる“牙獣”の地球圏侵入に対処する為、防衛軍は泡松博士の光波防御システムの研究を進め、開発に成功します。
これは、特殊なエネルギー波を地球圏全体に覆い被せて、個体、エネルギー体の侵入を遮る画期的なシステムです。
防衛軍参謀本部の直属機関は、極秘に地球全土に50基の補完基地を建設し、稼働実験を行ったのです。
光波防御システム(Light wave defense system)LWDの管制システムは、サブリナス地球統合本部の防衛軍司令管制部にあり、その起動及び解除は防衛軍参謀本部で行われる事になっていました。
実験は見事成功し、LWDの効果によりあらゆる外的影響から地球圏を守る事ができると、人類に希望を与えたのでした。
しかし、そこに異議をはさむ一人の人物がいました。
科学センターのイデ・ミツヒロ博士です。

「個体もエネルギー波も阻止できる防御システムだって?ありゃ諸刃の剣さ」

彼の進言は、泡松博士の功績を妬む為と信じられ、参謀本部では無視されます。
しかし彼の心配は、後日現実のものとなるのでした。

防衛軍の宇宙監視衛星が、地球に無数の光体が向かうのを捉えます。
直ちに防衛軍は臨戦態勢に移行し、4S隊にも出撃命令が出されました。
防衛軍の宇宙戦闘機、SJVの出撃後、参謀本部はLWDを作動させ、地球を光波エネルギーで覆います。
地球へ向かう光体は、宇宙空間に潜む3体の“牙獣、ウライムソン”の攻撃によるものだったのです。
宇宙戦闘機とSJVは、直ちに攻撃を開始。
しかしウライムソンは攻撃を歯牙にもかけず、空間転位を繰り返しながら地球への攻撃を繰り返します。
攻撃と追跡の繰り返しに、宇宙戦闘機部隊は残弾無く、補給の為ステーションαに帰還する事になったのです。
そして、余裕のある4S隊のSJVも、単独での宇宙戦闘は危険と判断し、同じくαに帰還します。
その間もウライムソンの地球攻撃は続きます。

3体のすべての攻撃は、LWDの効果で阻止され、地球上に被害は発生していませんでした。
しかしこの状況が続けば、エネルギー供給の問題で、LWDの消失という事態が考えられました。
また、地球と外部空域との連絡も途絶しており(通信も通しません)、状況の確認が難しくなっていました。

α基地では、ウライムソン撃滅の秘策“電磁網作戦”を決行し、攻撃の阻止を図ります。
電磁網の罠を仕掛け、ウライムソンを追い込み、身動きできないようにする作戦です。

ウライムソンの空間移動パターンは解析され、ほぼ同一上で転位を繰り返していました。(これは、太陽系内重力場の関係で、場の弱い所しか転位できない為)
防衛軍宇宙戦闘機がウライムソンを攻撃、それを避ける為空間転位をするウライムソンに、SJVが仕掛けた電磁網が、見事命中します。
作戦は成功かと思われましたが、ウライムソンは、電磁網のエネルギーを逆に吸収し、4S隊と防衛軍部隊に逆襲するのでした。その攻撃に壊滅していく、宇宙戦闘機部隊。
攻撃はSJVにも向けられ、2番機は被弾してしまいます。
その爆発の中、“マミ”はイヤリングの力を解放し、アルヴィスとなり、同乗していた“タヌマ”“ムロイ”両隊員を救い出します。
1号機に彼らを移送すると、ウライムソンとの戦闘に向かうアルヴィス。

激闘を繰り返す、ウライムソンとアルヴィス。
ウライムソンは、1体ではアルヴィスに勝ち目が無いと判断し、2体を呼び寄せ合体します。
合体したウライムソンは、アルヴィスの攻撃を跳ね除け、アルヴィスを追い込みます。
アルヴィスは、必殺のギガカッターをウライムソンに仕掛けますが、牙獣は、そのエネルギーを吸収してしまうのでした。
ついには同時にアルヴィス自体のエネルギーをも吸収しはじめるウライムソン。
力を失ったアルヴィスをLWDに封じ込めようとします。もがくアルヴィス。
しかしウライムソンに押し込まれ、ついにLWDの光の帯の中に閉じ込めてしまうのでした。

「ウルトラマンアルヴィスが敗れた?」
“モリオ”隊長の驚愕を他所に、ウライムソンは地球攻撃を再開します。
その発生する光弾は、アルヴィスや電磁網のエネルギーを取り込んだ為、以前にも増して強力なものになったのです。
LWDに包まれている地球。
その光に牙獣の攻撃が炸裂するのでした。
【第11話/完】




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