第3話

誘拐宇宙人ザルミース星人
護衛機獣ロボットガード
登 場




特務科学特捜隊の“リョウコ”と“マミ”は、高速警備車Sバギーで、通報のあった山中の事件現場へと向かっていました。
賦雷山の山村で、子供の誘拐事件が発生したのです。
此れだけなら警察の事件でしたが、山村の子供の誰一人行方不明になっておらず、又捜索に参加した警察官が、人事不承の状態で里に戻って来たのでした。
彼は「宇宙人だった・・・」と言い残し、病院に運ばれたのです。

“マミ”隊員は、誘拐された子供が村の子供でなく、数ヶ月前に突然現れ、村の子供達と知り合って遊んでいた事、突然気味の悪い大人が来て、その子供を連れ去った事を突き止めます。
そして、その大人たちの手には、鰭が付いていた事も・・・。

“リョウコ”隊員は子供の嘘と相手にしませんが、“マミ”隊員に説得されて山中に分け入ります。
そこで謎の男を発見。逃げる男をSSGの衝撃弾で射撃、身柄の確保に成功したのです。
黙秘を続ける男でしたが、“マミ”はアルヴィスの能力を使い、男の本性を確認します。
男は、ザルミース星人で、数十年前に賦雷山に墜落遭難した際、村の娘に救われたのです。(娘は、村とは放れた所に一人で住んでおり、あまり他の人々と接触がなかった)
彼女と暮らしているうちに愛し合うようになり子供ができ、三人は幸せに暮らしていました。
其の後、病気で妻と死別した男は、ひっそりと子供と二人で過ごしていたのですが、数日前に突然ザルミース星人の偵察艇が現れ子供を誘拐したのです。
彼は、ザルミース星人の偵察艇の潜入場所を探し出し、子供を救おうとしていたのです。

事情を話し、指示を求める“リョウコ”隊員。
しかし防衛軍は、偵察艇の潜入が地球防衛軍の監視網に探知されなかった事を問題視し、4S隊に偵察艇の確保を命令してくるのです。
4S隊と交戦になれば、子供の命が失われてしまう。
“マミ”隊員は、“リョウコ”隊員の制止も聞かずに“男”を連れて子供の救出作戦を敢行します。

偵察艇員の目を盗み、艇内への潜入に成功しますが、“マミ”隊員と“男”は捕らえられてしまいました。
ザルミースの指揮官は、“マミ”と男に話かけます。
偵察艇のザルミース星人は、異種配合を行った結果としての子供を欲していました。
彼らの星は、遺伝子障害の為に子孫の繁栄が損なわれており、種としての死を待つばかりでした。
ところが、地球人女性との交配によって生まれた子供は、遺伝子障害を克服しており、この遺伝子を研究できれば、ザルミース星は救われるのです。
協力=検体提供をするように説得されますが、“マミ”も男も断固拒否します。
その時4S隊の攻撃が開始されました。

ザルミース星人は、護衛のロボットガードを発進させます。
その混乱の中、わずかな隙をついて、“マミ”隊員は、ザルミース星人の親子と共に脱出に成功したのです。
追うザルミース星人、応戦しながら逃亡を図る“マミ”達。
しかし無常にも銃弾が親子に当たり、親子は死んでしまいます。
“マミ”隊員の怒りは、頂点に達します。
「自分達の都合で、平和に地球で生きる親子を・・・なんて惨い。アルヴィス!!」
耳のイヤリングが光り輝き、“マミ”隊員を包み込みます。ウルトラマンアルヴィスの登場です。

アルヴィスとロボットガードの戦闘は激烈を極めますが、ついにはアルヴィスの技“ジャストフラッシュ”でロボットガードは破壊されました。
ザルミース星人の偵察艇は、地球を離脱しようとしますが、アルヴィスに撃破され地上に墜落したのでした。

種の保存を図る為の唯一の希望を、自らの手で抹殺してしまったザルミース星人には、生きる事への優しさがありませんでした。
彼らは、滅ぶべき運命の種なのかも知れません。
「天国でお父さんとお母さんと一緒にね・・・」
“マミ”隊員の脳裏に、ザルミース星人の親子の姿が浮かび上がります。
帰島するSJVのコクピットで独り涙する彼女でした。
【第3話/完】


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