第5話

宇宙テロリスト バスク星人
宇宙生物リヴァイアス
登 場




此処は、サブリナス地球統合本部の特務科学特捜隊司令室。
日夜、地球の異変、異星人の侵略に対応できるように、隊員たちは此処で待機し、指令を待っています。
ここ暫くは事件も無く、平和な日々が続いていますが、一人悩む姿が・・・。

「如何したんです?最近、ナガイ隊員変ですよ?仕事中もボ〜っとしていますし・・・」
“ナガイ”隊員の姿を見ながら、そっと“リョウコ”先輩に耳打ちする“マミ”隊員でした。
「あら、知らなかったの?マミ。彼、奥さん居るでしょう。でね、どうもケンカして実家に帰ってしまったらしいの」
苦笑しながら“リョウコ”隊員は“マミ”に小声で答えました。
「別居ですか・・・離婚の危機ですね!」 思わず声を上げる“マミ”隊員に“リョウコ”隊員は、「こら!マミ。聞こえるって」
此方の話が聞こえたのか、無言で席を立つ“ナガイ”隊員は、書類を持って司令室を出て行きます。
「おいおい、君達。噂話と陰口はいけませんなぁ〜〜」
“マミ”と“リョウコ”に声をかけてきたのは、“ムロイ”隊員だ。
「陰口じゃありませんよ。ナガイ隊員の様子がおかしいから・・・」
少し怒りながら答える“マミ”隊員に“ナガイ”隊員の事を話してくれる“ムロイ”。
「ナガイの奥さん、民間会社のOLだっただろう。退職して結婚したんだけど、ナガイの奴、此処に転属した時、一緒に連れてきてね。新婚だったから当然だけど・・・しかし4S隊だもんね。勤務時間がバラバラで専業主婦の奥さんと会話が無くなったらしくて、ついには言い合ったらしい。怒った奥さん、実家に帰ってしまったんだって」
「へぇ、それであんな風にナガイさん、なってるんだ〜〜」
「口では、厳しいですが、奥さん思いなんですね」と“マミ”隊員。
「マミ!茶化すとナガイに食い殺されるぞ」 笑いながら答える“ムロイ”隊員に、二人は目を合わし「怖〜い」と言いながら仕事に戻っていきます。

“タヌマ”副隊長から、4S隊に調査任務が指示されました。
「最近日本の“City”近辺で爆弾魔の事件が多発している。どこも地球防衛軍、科学警察機構施設を狙った事件だ。4S隊は、この事件の調査の為に人員を派遣する事になった。ナガイ、お前はCityに土地勘があったな。よし、お前とマミの両隊員は、SJVで出動、向こうの基地指令に指示を仰げ。以上」

“ナガイ”“マミ”両隊員は、統合基地を出発し、科学警察機構“City”地区支部に到着します。
被害の状況から、科学警察機構技術センターが狙われると判断した支部は、周辺地域のパトロールを強化、4S隊も出撃する事になりました。
車中で無言のままパトロール任務に就く両隊員。
「ナガイ隊員、奥さん 如何ですか?」
突然の質問に“ナガイ”隊員は、一瞬“マミ”隊員の方に振り向いた後、又運転に戻ります。
「誰に聞いた?ムロイの奴か・・・」
「いえ、皆知ってますよ、ナガイ隊員は嫁さんに逃げられたって!」
“マミ”の答えに、運転を誤りそうになる“ナガイ”隊員。
「奥さんと連絡、取ってるんですか?」
「いや、暫く前からTELしても繋がらないんだ」
「そういえば、奥さんの実家って此処から近いって聞きましたけど?調査ついでに行きましょうよ」
「おいおい・・・マミ・・・」
“マミ”隊員の強引な勧めで、実家に向かう羽目になる“ナガイ”隊員でした。

実家が見える手前で車を止める“ナガイ”隊員。
「如何したんです?ナガイ隊員?」
思いつめた感じで実家を見つめる“ナガイ”隊員に声を掛ける“マミ”隊員。
「いや、此処に来る前にもTELしたのだが、連絡がつかなくてね」
“マミ”隊員は、心配顔の“ナガイ”隊員に 「男は、度胸ですよ、ナガイ隊員!!」と元気づけます。
その時、“マミ”隊員のイヤリングが光り、“マミ”へ直接語りかけてきたのです。
《マミ、あの家に異星人の反応がある。気をつけなさい》
アルヴィスの声に驚く“マミ”隊員を置いて、“ナガイ”隊員は実家の玄関を叩きます。

対応したのは、実家の義父でした。
「あの〜夜分、恐れ入ります。ナガイです。お義父さん・・・」
言いかけた“ナガイ”の脇から“マミ”隊員が、義父に当身を加えます。
「なっ?」
驚く“ナガイ”隊員に、“マミ”隊員は静かにするように諭し、話します。
「ナガイ隊員、おかしいと思いませんか?まだ20:00ですが、この周辺の家全て電気が消えています。それに人の気配がしないの、不思議ではありません?」
「それに義父さんをよく見てください」
言葉に促され“ナガイ”隊員が振り返ると、義父は異星人の姿に変わってゆきます。
全てを理解した“ナガイ”隊員は、“マミ”隊員と共に実家へと潜入します。
実家の奥で無事な奥さんと家族の姿を発見した“ナガイ”隊員でしたが、そのそばに驚愕の物体を見つけました。

バスク星人は、警戒の厳しい科学警察機構の技術センターを攻撃する為に、周辺地域住民と入れ替わる事で街をのっとり、そこで大型の陽子爆弾を組み立てたのでした。
爆弾で住宅地もろとも科学センターを粉砕する計画なのです。
しかしバスク星人は、最後の部品の運搬で、防衛軍に宇宙船を撃墜されてしまいました。
そこで、時限装置の組み立てに地球の部品を使うことにしたのです。
その事が幸いしました。
起爆装置が地球の部品である為に、解体作業が可能であったのです。
だが、時間がありません。
“ナガイ”隊員は、“マミ”隊員に基地への連絡と地域住民の救出を命じ、起爆装置の分解にかかります。
“ナガイ”隊員は妻に非難するように示唆しますが、夫の傍から離れないと言います。
「私は、誤解から貴方を危険な目に合わせてしまった。貴方だけを置いてはいけないわ。貴方は、決して私を死なせはしません。だからここに居ます」
決意が固い事を知った“ナガイ”隊員は、妻といっしょに起爆装置の解体をはじめます。

作戦の失敗を悟ったバスク星人は、宇宙生物リヴァイアスを発動させ一気に陽子爆弾を爆発させようとします。
“マミ”隊員はイヤリングの力を解放し、ウルトラマンアルヴィスに変身。
アルヴィスとリヴァイアスとの激闘が繰り返されますが、最期はアルヴィスの必殺技ギガカッターが炸裂し、リヴァイアスは倒されました。
逃げるバスク星人も応援に到着した4S隊のSJVに撃墜されます。
そして、“ナガイ”隊員の活躍で起爆装置の解体は成功したのでした。

地球の平和は、ウルトラマンアルヴィスと4S隊の活躍で守られました。
いえ、違いますって??
そうでした、夫婦の愛が、守ったのでしたね。
【第5話/完】


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